突然ですが今,私は放射線測定器を作ろうとしているのです.
その回路にSiPM(シリコン光電子増倍管)を使うと,回路設計が容易になる代わりにものすごく1個あたりの価格が跳ね上がります.
1台あたり2万円くらい跳ね上がり,そして入手も非常に困難になります.
そもそも,SiPMというのは部品自身のゲイン(利得)が最大で1000ほどあります.
つまり,ゲインが1の素子を使う時よりも1000倍の感度を持つわけです.
ですからSiPMを使うと,そのままの信号を(ノイズだけは気をつけて)計装信号OPアンプに入力してやることで,Arduinoのアナログ入力に十分な電圧を得られます.
しかし,今回の企画はそのSiPMを使わないのです.
その代わりにシリコンフォトダイオード(SiPD)を用いることにしました.
SiPDは非常に安価で(多くの場合1000円未満),今回の企画にはピッタリです.
もちろん,問題はあります.
部品自身のゲインは1,つまり信号は増幅されることなくそのまま取り出されます.
SiPMではある程度の振幅がある状態で信号を取り出すので,ノイズ耐性が多少がありますが,SiPMの場合,ノイズに非常に弱いのです.
また振幅が小さいので,入力ADCの分解能と精度も必要になります.
そこで,回路は一旦差し置いてArduinoを決定します.
手持ちにはArduino Dueがあります.
しかし大きく高価で,今回の企画には不向きです.
そのうえADCも12 bitです.(実は僕,Dueユーザーです)
しかし,純粋なArduinoとしては最新のArduino R4シリーズを考慮してみましょう.
今回は,Nano R4を使うことにしたのですが,こいつに搭載されているRA4M1マイコンのADCは脅威の14 bitです.
DueとNanoのフルスケールは異なりますが,電圧分解能はNano R4の方が高いです.
ということで,次回はそれぞれのIO速度を測ってみようと思います.